『「時」を生きるイタリア・デザイン』①
先日のラテアートの記事を書いた後、イタリア人によって生み出されるデザインの心地よさはいったいどこから来るのだろう、と素朴な疑問が残った。
イタリア・デザインに関する本を探したところ、真っ先にこのへんてこなロボットみたいなのが表紙を飾る本書が目に留まり、即購入。
ちなみにロボットではなくナポリタン・コーヒーポッドがモチーフの作品。
ナポリではコーヒーを作る際、ブリキの筒を上下で噛み合わせた容器にコーヒー粉と水を入れて火にかけ、途中上下をひっくり返す。
”上だと思っていたら、下になっちゃった。下だったはずが、いつの間にか上になっていた。人生そう捨てたものでもないらしい。”
そこはかとなく哀愁漂う感じがジワジワくる。
著者はイタリアで長年デザインジャーナリストとして活躍してきた佐藤和子氏。
本書は、イタリアの社会とデザインを一つの動きとしてとらえ、各時代の主役へのインタビューや資料をもとに1930年代以降のイタリアデザインの系譜を綴ったものである。
②へ続く。